2010年 06月 21日
メールニュース第10号です! |
トランジションタウンのメールニュースも、
第10号となりました!
今号も読み応え満点。
冒頭の「ポリカルチャー」のお話から、
クローズアップはTT渋谷秘話、
TT奈良ぼん初登場の各TTニュース、
オーストラリアからは地元の有機農家をささえるTTアクション、
フードコネクトの紹介です。
やってみたい、マネしてみたい、
参考になるネタが盛りだくさんですよ〜♪
○○○○○●○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
Transition・Town・News
トランジション・タウン・ニュース
(第10号 100614)
○○○○○○○○○○○○○●○○○○○○○○○○○○○○○○
皆様、こんばんは。
新月の夜にお届けするトランジション・タウン・ニュースです。
(うっかり新月がすぎてしまいました)
葉山に住むパーマカルチャリストのフィル君からこんな話を聞きました。
“3年やってわかったけど、最近はコンパニオンプランツより、
ポリカルチャーだね。“
コンパニオンプランツとは、相性のいい植物どうしをくみあわせて病害虫
や雑草の被害を減らすパーマカルチャーの手法。
ポリカルチャーとは色々なものを混ぜて栽培する混作型の農法のこと。
“相性がいい植物という捉え方自体が人間の思いこみだと思うんだ。
実際土や場所によって相性は変わるし、とにかく土が健やかなら
何を植えても植物は元気に育つのさ。逆に土ができてないと、何を
どれだけインプットしても栄養も水も逃げてしまうよ。”
“植物だけでなく町も同じだね。この町にどんな人が必要とか、どんな
資源があったらじゃなくて、土(つながり)さえできてれば、何を
やってもうまくいくんだよね。“
と、互いに納得し合う。
彼は、ポリカルチャー式に、幾種類もの種をまぜたものを、そのまま
農地にばらまくのだとか。
“どういう種をどれだけ混ぜるって決めるの?”っていう私の無粋な質問に、
フィル君は片目をパッチンしてにこやかに答える。
“うん、それは、もちろん想像力さ!”
===============================
1、クローズアップ トランジション・タウン
今月はTT渋谷をご紹介します
2、トランジション・タウン・ニュース
国内12地域のトランジション・タウンからの活動紹介です
3、オーストラリアからトランジション・タウン便り
4、トランジション・ジャパン活動報告
===============================
-------------------------------------------------
1、クローズアップ トランジション・タウン
-------------------------------------------------
みなさん、こんにちは。
トランジション渋谷のゆりんこです。
■取り組みのきっかけは「直感、直観」!?
TT渋谷の機運は、ふわっと浮き上がるように沸いたのかもしれないし、
はたまた、じっくり心の中で形成されてきたものだったかもしれません。
が、具体的な形を取って出たのは、昨年の夏フェスのワールドカフェで、
「都心でTTするには?」というディスカッションをしたときでした。
都心部のエネルギーからイキオイ余り(?)「渋谷やります!」と
宣言したところから一気に具体化しました。
■コアグループの紹介
・・・私たちのスタート地点は「アートマンラボ」です!
現在のコアメンバーは、もともと渋谷近辺で始まった同好研究会である
「アートマンラボ」です。2009年のパーマカルチャーハーバリスト講座
で出会い、6月の梅酵素ジュース作りを機に、オーガニッククッキングや
アートセラピー、アロマ、ヨガなど、私たち自身の心身の健康を作り出す
ものに実践的に取り組み、周囲に伝える活動を始めました。
そのとき「トランジションタウン」を知り、「面白そう!興味ある!」と
いうことで夏フェス参加、その後11月に説明会・検討会実施に至りました。
説明会には渋谷在住者だけでなく、地域外からも活動全体に興味のある方
がご参加くださり、TTという言葉の伝播力を感じました。
■TTとしての活動近況
・・・みぢなか薬草ワークショップが好評です!
その後は、アートマンラボとしての活動=TTの活動ととらえ、具体的に
手を動かす取組を中心に行っています。
たとえば、TT相模湖・チームゴエモンからお分けいただいた地大豆
「津久井大豆」での味噌作りワークショップや、私たちの出会いのきっか
けである「身近な薬草の生かし方」など、できる限り、身近な資源をいかし
ながら、生活に使える、楽しめることを中心にしています。
3月には代々木上原社会教育館祭に参加展示し、ご近所のおばあちゃん
達と仲良くなったり、アースデーでは植物博士・池竹さんのガイドによる
代々木公園自然観察会で、都会で意外な野草を発見したり、思った以上
に渋谷、都会は楽しい、ということを実感しています。
これらの活動を通じて「身近な野草をどう生かすの?」ということへの関心
の高さを実感したので、“身近な薬草の活かし方~実践編”として、摘ん
だ野草の保存や利用の仕方を伝えるワークショップにも力を入れています。
(6月30日PMにも開催予定です。参加者募集中→
http://blog.goo.ne.jp/artman_tokyo/e/c5bc065ad0096803129887f7299e6f31)
■今後について・・・いつも模索中、次は連携かな?
このように、TTでいう3H(Head、Hand、Heart)の中のHand&Heartに偏
った私たちがTT渋谷です。実はTTに興味はあるものの、活動そのものは
TTのため、というよりも、私たちの興味がたまたまTT的であるというのが
正しいのかもしれません。
たまに話し合いをすると、「そもそもTTって?」「あえてTTって言わなくても、
やろうとしている事はT同じことじゃない?」というような議論が始まります。
で、結論が出ません。(笑)
そしてワークショップを開いて、植物観察したり、お話したり、自分の肌にあ
った化粧水を作ったりと手を動かすことで、皆さん一気に「へえこんな近くに
いろんな宝(=薬草)があったんだ」と目を輝かせるのを見たりすると、やっ
ぱりこれでいいんだ♪と納得します。
そこから少しずつ、環境負荷が高かったり、即効性はあっても実はきつい現
代医療だけでなく、セルフケアしていくこと、また薬草の生える環境づくりな
どに視野を広げることができると思っています。
めざすは、いたるところで、野草たちが元気に育つ都会と、野草パワーで元気
な都会人かな?!
そういうわけで、私たちは現在は野草、薬草という切り口からアプローチして
いますが、本当はもっといろんな入口があるはずなので、それだけにとらわれ
ずに幅は広げていきたい。
たとえば、同じ都心では、TTしたまちも盛り上がっていますし、交流したり一
緒にイベント組んだりしながら、多様な流れにつながっていけると楽しいかな、
という気がしています。
これからもよろしくお願いします!
*トランジション・渋谷ブログ:http://blog.goo.ne.jp/artman_tokyo
-------------------------------------------------
2、トランジション・タウン・ニュース
-------------------------------------------------
初登場!!関西初のトランジション・タウン!
【トランジション・奈良ぼん】
●3月に大阪・奈良でトランジションタウン説明会をしてもらったのを
きっかけに、「トランジション・タウン奈良ぼん」としてスタート!
生活地域である奈良盆地周辺を称して、「奈良ぼん」としました。
(大阪、滋賀、京都、岡山、関西周辺では、トランジションの芽が
うずいていますよーー♪)
●月1回、集まりを開き、4月には、アースディでプチおひろめ。
持続可能な社会の持続ってなに?から、「続いてきたもの・こと」に対
するアンケートと、トランジション活動の説明を行いました。
●5月にはメンバーの自然農の作物を用いて、インド料理の得意なメンバー
が、メンバーのカフェでイベントをするなど、メンバーが様々な職業で
あることを活かして、TT(楽しくつながる)企画が生まれました。
●わいわいしながら、奈良盆地を持続可能な社会に移行していきたい
と思っていますので、一緒に活動してくれる方、お待ちしています。
*「トランジション・タウン奈良ぼん」活動記
http://blog.canpan.info/narabon/
-------------------------------------------------
【トランジション・したまち】
TTしたまちは、足立、葛飾、荒川などを中心に、地域はこだわらず、
都市型のトランジションを模索しつつ活動しています。今は主に、
街歩き、コモンミール、トランジションオリエンテーション、
カフェでの対話などにより、メンバー間の想いの共有を重ねています。
6月末の土曜日には、日暮里のコレクティブハウスにて、
パン作り、コモンミール、トランジションを深めるワークなどの
イベントを開催します。7月からは、都内にて、
トランジションを深める会を、定期開催していく予定です。
詳細は決まり次第ブログに掲載しますので、チェックしてください。
*TTしたまちブログ: http://blog.canpan.info/ttshitamachi/
-----------------------------------------------
【トランジション・多摩】
5月から、TTたまと、みはらしプレーパークの会共催で、幼児と母が
自然の中で遊ぶ場「みなみ野の自然の中で遊ぼうかい」をはじめました。
子育て中の親が自然の中で子どもを遊ばせつつ、焚き火でお湯を沸かして
カフェタイム、 子供服や本やオモチャを持ち寄ってゆずりあう「もちより・
ゆずりあいパーティー」などで、参加者同士のおしゃべりがはずみました。
小さい子どもたちが好奇心そのままにどんどん森の中に入っていく様子に、
本能を見ました。子どもを自然の中に放って、親も目線が子どもから森へ。
自然の力で満たされる時間を、楽しんでもらえたと思います。
●今後の予定 太鼓の練習
6月23日(水)、7月7日(水)、7月21日(水)10:00~
八王子市みなみ野宇津貫公園にて
5月の練習では、太鼓を教えてくれているご夫婦の息の合った「ぶち合わ
せ太鼓」を見て、さらに気合の入るTTたまのまつり部です。
*トランジション・たまブログhttp://plaza.rakuten.co.jp/keselan
-------------------------------------------------
【トランジション・南阿蘇】
◎6月4日”GMOFreeみそ汁の会”を開催。
フットプリントの高い遠くの食べ物より、自分の食べ物は出来るだけ近くで
得る。変な遺伝子の混じっているもんは安心できん。
煮炊きには、調理用のロケットストーブが大活躍(写真の右手前)、木っ端
だけで十分な調理が可能です。
http://go-surfing.net/minamiaso/2010/06/gmo-free-o.html
これからの予定
◎駅前大豆畑始めます♪
2反の畑で、地大豆2種類をメインに、他いろいろなお豆さん、にんじん、
とうもろこしなどを育てます。
*スケジュール
6月下旬より苗づくり、冬水田んぼの岩澤 信夫さんから教わった、多収穫
大豆栽培法の”へそ曲がり栽培法”での大豆苗造り
7月3日 大豆苗の植え付け
◎脱化石燃料ワークショップで、調理用ロケットストーブ作りも企画予定。
只今、研究開発中!
*トラジション南阿蘇の暫定ホームページにて情報発信中です。
http://go-surfing.net/minamiaso/
--------------------------------------------------
【トランジション・相模湖】
TT相模湖では長年使われていなかった田んぼを利用して稲作を始めること
にしました。餅つき用の餅米とゆかりさんの古代米を育てます。
5月3日、5日、9日に苗床作りをしました。
その後、高橋さんが、しろかき、畦塗りなどをしてくださり、昨日、田植え
のための苗とりをしました。
14日、いよいよ田植えです。子供達にも体験させたいので20日(日)にも
少し行う予定です。
田んぼの利用の為、地域の人達と共同での水路掃除に高橋さんが参加くだ
さりましたが、地域の人達も「よく戻ってきてくれたね」と、我々が再び田んぼ
を利用することになったことを大変喜んでくれたそうです。いろいろアドバイ
スを下さったり、作業中に声をかけてくださったりと地元の方々とのつながり
も、ありがたく体験させて頂いています。
*トランジション・相模湖ブログ:http://d.hatena.ne.jp/sagamiko/
-------------------------------------------------
【トランジション・葉山】
●5月11日~14日
葉山芸術祭に参加
“Art of living~暮らしの芸術~”をテーマに、ことば・食・いのち・
ゴミの分野にわけて、日々の暮らしの営みの中にあるartを、展示と
ワークショップで表現しました。廃油キャンドルの灯での大人と子供の
詩の朗読会、葉山の海辺で採れる海草の料理会と海の話、北川湿地を守る
会、ゴミキエーロの話しなど、トランジションな4日間でした。
●6月6日
葉山環境フェスタに参加
●6月27日(日)第2回なみなみマーケット@レインボウカフェ
無農薬野からオーガニックコットン、暮らしの雑貨、美術書等、
なみなみ会員による、からだによく見た目もよい品々が並ぶ
なみなみマーケット開催です。
*TT葉山ブログ:http://tthayama.blog10.fc2.com/
------------------------------------------------------
【その他のトランジション・タウン】
*トランジション・藤野ブログ:http://blog.canpan.info/team-80/
*里山長屋暮らし~藤野プロジェクト http://blog.canpan.info/nagaya/
*トランジション・都留メールマガジンhttp://blog.canpan.info/ttt/category_10/
*トランジション・小金井ブログ:http://ttkoganei.exblog.jp/
*トランジション・高尾ブログ:http://tttakao.exblog.jp/
*「かまわ」(トランジション鎌倉)ブログ:http://www.econakoto.net/kamakura
==================================
3、オーストラリアからトランジション・タウン便り
==================================
第6回(2010年6月10日)
今回は、4月にウーフィング(WWOOFing)でお世話になった農家のご夫婦が
契約農家としてかかわっている農産物の宅配システム、Food Connectについて
ご紹介します。
このシステム、その名の通り、農産物を通して農家と消費者をつなげるしくみで、
2005年にオーストラリア、QLD州のブリスベンで始まったスモール&スロー
なビジネス。
購買者が定額を前払いし、中身はお任せの箱入りの農産物を受け取る、という点
では「農家直送の野菜宅配ボックス」みたい。でも単独の農家じゃなく、複数の
農家から農産物が持ち寄られる、という点では「道の駅」のような感じ。
そして、購買者がグループごとに代表者の家で商品を受け取る、というところは
「生協(CO-OP)」みたいな感じです。
一見シンプルに見えるこのシステム、実はCSA(Community Supp
orted Agriculture)をモデルとし、農家の立場からすると大き
なメリットがあります。
というのも、 「買い手」のメリット(安さや安全性、利便性)だけに焦点をおくの
ではなく「有機的 な手法で農業を営む小規模農家の保護」を重視しているからです。
(CSAについての詳細は、ブログ(種から森へ - 6月10日)にて。)
フードコネクトと契約した場合、
* 商品のバラエティは複数の農家間でお互いに補いあえる
* 一旦契約すれば、フェアな料金設定(季節ごとに農家が希望の値段を設定)で
安定した取引が約束される
* 見た目やサイズ、収穫量のばらつきにかかわらず、できた作物は100%
引き取ってもらえる
* マーケティング、パッケージング、輸送、保管などコストや労力が最小限か
ゼロにおさえら、農家は本来の農作物の質の向上、という点に集中できる
といった具合で、農家がスーパーなどの小売店に商品を卸した場合と比較すると、
収入の差額はなんと4倍だそうです!
ところで契約農家になるためには、アセスメントを受け、環境や人への配慮
(要はいかにオーガニックか)、品質(見た目じゃなくて)に関する基準を満た
す必要があります。
そしてこれらの基準の達成度により4段階にランク付けされた登録農家は、HP
に公開され、しかも毎週の作物は、ひとつひとつどの農家から届けられているか
ということまで公開されています。
こういうことを通し、オーガニックを「特別なもの」から、「当たり前のもの」
として社会に浸透させていこうという意識も背景にあることがうかがえます。
大手スーパーが中間に立ち、生産者の負担のうえに成り立つ、「安さ」や「安全
性」をただ受身で享受するのではなく、生産者の「持続可能性」や「安全性」
を守りながら、買い手であるわたしたちも食の安全や安定供給に積極的に参加し
ていこう、という姿勢がとってもトランジション的です。
実際、地元のトランジションタウンともコラボレーションイベントを開催したり
と、いろいろな方面とつながりをもちながら、今ではメルボルン、シドニー、ア
デレード、そしてタスマニアでも、モデルとされ、同様の仕組みが広まってきて
いるそうです。
種から森へ - トランジションタウン@ブリスベン
- トランジションタウンモデルを通じて日々学んだこと、
考えたこと、伝えたいこと -
http://transitionbrisbane4j.blog108.fc2.com/
(すい)
----------------------------------------------------------
4、トランジション・ジャパン活動報告
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●5月30日 エコビレッジ国際会議に参加しました。
*************************************************
○トランジション・タウンの最新情報はコチラ
→トランジション・ジャパンのメンバーのまるじゅんによるブログ
ジモティーでいこう http://ttown.exblog.jp/
*************************************************
○メールニュース解除はコチラ まで。transitionjapan@gmail.com
*************************************************
●編集後記
小田原の荒れた竹林を歩きながら、案内をしていただいた方に聞いた話。
彼のおじいちゃんは、なんでも竹からつくったそう。
収穫した梅をいれるかご、搬送するコンテナ、梅を挟むトングなど。束ねる
ひもは棕櫚の皮をはいで編んだ。孫である彼が幼い時には、竹で刀と鞘ま
でつくり、きれいに漆までぬって仕上げてくれたそうだ。当時でたばかりの
プラスチックおもちゃに憧れた彼は全然嬉しくなくて放っておいたんだって。
家のなにかが壊れれば竹を削って釘をつくって直した。竹をたくさん使った
から、竹林も整備され毎年筍をおいしく食べていた。
それがたった40~50年前の話。
今はすべてプラスチックや化学製品にとってかわり、竹林は荒れ放題。
つい最近まで、石油がなくても十分生きていけた。
GDPは10倍にはねあがったけれど、失った物ははかり知れず大きすぎる。
(トランジション・ジャパン&葉山 きやまやすこ)
***************************************************
編集・発行:特定非営利活動法人 トランジション・ジャパン
問い合わせ :transitionjapan@gmail.com
公式サイト :http://www.transition-japan.net
◎トランジション・ジャパン ニュース
のバックナンバーはこちら
⇒ http://archive.mag2.com/0000293823/index.html
第10号となりました!
今号も読み応え満点。
冒頭の「ポリカルチャー」のお話から、
クローズアップはTT渋谷秘話、
TT奈良ぼん初登場の各TTニュース、
オーストラリアからは地元の有機農家をささえるTTアクション、
フードコネクトの紹介です。
やってみたい、マネしてみたい、
参考になるネタが盛りだくさんですよ〜♪
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Transition・Town・News
トランジション・タウン・ニュース
(第10号 100614)
○○○○○○○○○○○○○●○○○○○○○○○○○○○○○○
皆様、こんばんは。
新月の夜にお届けするトランジション・タウン・ニュースです。
(うっかり新月がすぎてしまいました)
葉山に住むパーマカルチャリストのフィル君からこんな話を聞きました。
“3年やってわかったけど、最近はコンパニオンプランツより、
ポリカルチャーだね。“
コンパニオンプランツとは、相性のいい植物どうしをくみあわせて病害虫
や雑草の被害を減らすパーマカルチャーの手法。
ポリカルチャーとは色々なものを混ぜて栽培する混作型の農法のこと。
“相性がいい植物という捉え方自体が人間の思いこみだと思うんだ。
実際土や場所によって相性は変わるし、とにかく土が健やかなら
何を植えても植物は元気に育つのさ。逆に土ができてないと、何を
どれだけインプットしても栄養も水も逃げてしまうよ。”
“植物だけでなく町も同じだね。この町にどんな人が必要とか、どんな
資源があったらじゃなくて、土(つながり)さえできてれば、何を
やってもうまくいくんだよね。“
と、互いに納得し合う。
彼は、ポリカルチャー式に、幾種類もの種をまぜたものを、そのまま
農地にばらまくのだとか。
“どういう種をどれだけ混ぜるって決めるの?”っていう私の無粋な質問に、
フィル君は片目をパッチンしてにこやかに答える。
“うん、それは、もちろん想像力さ!”
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1、クローズアップ トランジション・タウン
今月はTT渋谷をご紹介します
2、トランジション・タウン・ニュース
国内12地域のトランジション・タウンからの活動紹介です
3、オーストラリアからトランジション・タウン便り
4、トランジション・ジャパン活動報告
===============================
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1、クローズアップ トランジション・タウン
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みなさん、こんにちは。
トランジション渋谷のゆりんこです。
■取り組みのきっかけは「直感、直観」!?
TT渋谷の機運は、ふわっと浮き上がるように沸いたのかもしれないし、
はたまた、じっくり心の中で形成されてきたものだったかもしれません。
が、具体的な形を取って出たのは、昨年の夏フェスのワールドカフェで、
「都心でTTするには?」というディスカッションをしたときでした。
都心部のエネルギーからイキオイ余り(?)「渋谷やります!」と
宣言したところから一気に具体化しました。
■コアグループの紹介
・・・私たちのスタート地点は「アートマンラボ」です!
現在のコアメンバーは、もともと渋谷近辺で始まった同好研究会である
「アートマンラボ」です。2009年のパーマカルチャーハーバリスト講座
で出会い、6月の梅酵素ジュース作りを機に、オーガニッククッキングや
アートセラピー、アロマ、ヨガなど、私たち自身の心身の健康を作り出す
ものに実践的に取り組み、周囲に伝える活動を始めました。
そのとき「トランジションタウン」を知り、「面白そう!興味ある!」と
いうことで夏フェス参加、その後11月に説明会・検討会実施に至りました。
説明会には渋谷在住者だけでなく、地域外からも活動全体に興味のある方
がご参加くださり、TTという言葉の伝播力を感じました。
■TTとしての活動近況
・・・みぢなか薬草ワークショップが好評です!
その後は、アートマンラボとしての活動=TTの活動ととらえ、具体的に
手を動かす取組を中心に行っています。
たとえば、TT相模湖・チームゴエモンからお分けいただいた地大豆
「津久井大豆」での味噌作りワークショップや、私たちの出会いのきっか
けである「身近な薬草の生かし方」など、できる限り、身近な資源をいかし
ながら、生活に使える、楽しめることを中心にしています。
3月には代々木上原社会教育館祭に参加展示し、ご近所のおばあちゃん
達と仲良くなったり、アースデーでは植物博士・池竹さんのガイドによる
代々木公園自然観察会で、都会で意外な野草を発見したり、思った以上
に渋谷、都会は楽しい、ということを実感しています。
これらの活動を通じて「身近な野草をどう生かすの?」ということへの関心
の高さを実感したので、“身近な薬草の活かし方~実践編”として、摘ん
だ野草の保存や利用の仕方を伝えるワークショップにも力を入れています。
(6月30日PMにも開催予定です。参加者募集中→
http://blog.goo.ne.jp/artman_tokyo/e/c5bc065ad0096803129887f7299e6f31)
■今後について・・・いつも模索中、次は連携かな?
このように、TTでいう3H(Head、Hand、Heart)の中のHand&Heartに偏
った私たちがTT渋谷です。実はTTに興味はあるものの、活動そのものは
TTのため、というよりも、私たちの興味がたまたまTT的であるというのが
正しいのかもしれません。
たまに話し合いをすると、「そもそもTTって?」「あえてTTって言わなくても、
やろうとしている事はT同じことじゃない?」というような議論が始まります。
で、結論が出ません。(笑)
そしてワークショップを開いて、植物観察したり、お話したり、自分の肌にあ
った化粧水を作ったりと手を動かすことで、皆さん一気に「へえこんな近くに
いろんな宝(=薬草)があったんだ」と目を輝かせるのを見たりすると、やっ
ぱりこれでいいんだ♪と納得します。
そこから少しずつ、環境負荷が高かったり、即効性はあっても実はきつい現
代医療だけでなく、セルフケアしていくこと、また薬草の生える環境づくりな
どに視野を広げることができると思っています。
めざすは、いたるところで、野草たちが元気に育つ都会と、野草パワーで元気
な都会人かな?!
そういうわけで、私たちは現在は野草、薬草という切り口からアプローチして
いますが、本当はもっといろんな入口があるはずなので、それだけにとらわれ
ずに幅は広げていきたい。
たとえば、同じ都心では、TTしたまちも盛り上がっていますし、交流したり一
緒にイベント組んだりしながら、多様な流れにつながっていけると楽しいかな、
という気がしています。
これからもよろしくお願いします!
*トランジション・渋谷ブログ:http://blog.goo.ne.jp/artman_tokyo
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2、トランジション・タウン・ニュース
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初登場!!関西初のトランジション・タウン!
【トランジション・奈良ぼん】
●3月に大阪・奈良でトランジションタウン説明会をしてもらったのを
きっかけに、「トランジション・タウン奈良ぼん」としてスタート!
生活地域である奈良盆地周辺を称して、「奈良ぼん」としました。
(大阪、滋賀、京都、岡山、関西周辺では、トランジションの芽が
うずいていますよーー♪)
●月1回、集まりを開き、4月には、アースディでプチおひろめ。
持続可能な社会の持続ってなに?から、「続いてきたもの・こと」に対
するアンケートと、トランジション活動の説明を行いました。
●5月にはメンバーの自然農の作物を用いて、インド料理の得意なメンバー
が、メンバーのカフェでイベントをするなど、メンバーが様々な職業で
あることを活かして、TT(楽しくつながる)企画が生まれました。
●わいわいしながら、奈良盆地を持続可能な社会に移行していきたい
と思っていますので、一緒に活動してくれる方、お待ちしています。
*「トランジション・タウン奈良ぼん」活動記
http://blog.canpan.info/narabon/
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【トランジション・したまち】
TTしたまちは、足立、葛飾、荒川などを中心に、地域はこだわらず、
都市型のトランジションを模索しつつ活動しています。今は主に、
街歩き、コモンミール、トランジションオリエンテーション、
カフェでの対話などにより、メンバー間の想いの共有を重ねています。
6月末の土曜日には、日暮里のコレクティブハウスにて、
パン作り、コモンミール、トランジションを深めるワークなどの
イベントを開催します。7月からは、都内にて、
トランジションを深める会を、定期開催していく予定です。
詳細は決まり次第ブログに掲載しますので、チェックしてください。
*TTしたまちブログ: http://blog.canpan.info/ttshitamachi/
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【トランジション・多摩】
5月から、TTたまと、みはらしプレーパークの会共催で、幼児と母が
自然の中で遊ぶ場「みなみ野の自然の中で遊ぼうかい」をはじめました。
子育て中の親が自然の中で子どもを遊ばせつつ、焚き火でお湯を沸かして
カフェタイム、 子供服や本やオモチャを持ち寄ってゆずりあう「もちより・
ゆずりあいパーティー」などで、参加者同士のおしゃべりがはずみました。
小さい子どもたちが好奇心そのままにどんどん森の中に入っていく様子に、
本能を見ました。子どもを自然の中に放って、親も目線が子どもから森へ。
自然の力で満たされる時間を、楽しんでもらえたと思います。
●今後の予定 太鼓の練習
6月23日(水)、7月7日(水)、7月21日(水)10:00~
八王子市みなみ野宇津貫公園にて
5月の練習では、太鼓を教えてくれているご夫婦の息の合った「ぶち合わ
せ太鼓」を見て、さらに気合の入るTTたまのまつり部です。
*トランジション・たまブログhttp://plaza.rakuten.co.jp/keselan
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【トランジション・南阿蘇】
◎6月4日”GMOFreeみそ汁の会”を開催。
フットプリントの高い遠くの食べ物より、自分の食べ物は出来るだけ近くで
得る。変な遺伝子の混じっているもんは安心できん。
煮炊きには、調理用のロケットストーブが大活躍(写真の右手前)、木っ端
だけで十分な調理が可能です。
http://go-surfing.net/minamiaso/2010/06/gmo-free-o.html
これからの予定
◎駅前大豆畑始めます♪
2反の畑で、地大豆2種類をメインに、他いろいろなお豆さん、にんじん、
とうもろこしなどを育てます。
*スケジュール
6月下旬より苗づくり、冬水田んぼの岩澤 信夫さんから教わった、多収穫
大豆栽培法の”へそ曲がり栽培法”での大豆苗造り
7月3日 大豆苗の植え付け
◎脱化石燃料ワークショップで、調理用ロケットストーブ作りも企画予定。
只今、研究開発中!
*トラジション南阿蘇の暫定ホームページにて情報発信中です。
http://go-surfing.net/minamiaso/
--------------------------------------------------
【トランジション・相模湖】
TT相模湖では長年使われていなかった田んぼを利用して稲作を始めること
にしました。餅つき用の餅米とゆかりさんの古代米を育てます。
5月3日、5日、9日に苗床作りをしました。
その後、高橋さんが、しろかき、畦塗りなどをしてくださり、昨日、田植え
のための苗とりをしました。
14日、いよいよ田植えです。子供達にも体験させたいので20日(日)にも
少し行う予定です。
田んぼの利用の為、地域の人達と共同での水路掃除に高橋さんが参加くだ
さりましたが、地域の人達も「よく戻ってきてくれたね」と、我々が再び田んぼ
を利用することになったことを大変喜んでくれたそうです。いろいろアドバイ
スを下さったり、作業中に声をかけてくださったりと地元の方々とのつながり
も、ありがたく体験させて頂いています。
*トランジション・相模湖ブログ:http://d.hatena.ne.jp/sagamiko/
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【トランジション・葉山】
●5月11日~14日
葉山芸術祭に参加
“Art of living~暮らしの芸術~”をテーマに、ことば・食・いのち・
ゴミの分野にわけて、日々の暮らしの営みの中にあるartを、展示と
ワークショップで表現しました。廃油キャンドルの灯での大人と子供の
詩の朗読会、葉山の海辺で採れる海草の料理会と海の話、北川湿地を守る
会、ゴミキエーロの話しなど、トランジションな4日間でした。
●6月6日
葉山環境フェスタに参加
●6月27日(日)第2回なみなみマーケット@レインボウカフェ
無農薬野からオーガニックコットン、暮らしの雑貨、美術書等、
なみなみ会員による、からだによく見た目もよい品々が並ぶ
なみなみマーケット開催です。
*TT葉山ブログ:http://tthayama.blog10.fc2.com/
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【その他のトランジション・タウン】
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3、オーストラリアからトランジション・タウン便り
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第6回(2010年6月10日)
今回は、4月にウーフィング(WWOOFing)でお世話になった農家のご夫婦が
契約農家としてかかわっている農産物の宅配システム、Food Connectについて
ご紹介します。
このシステム、その名の通り、農産物を通して農家と消費者をつなげるしくみで、
2005年にオーストラリア、QLD州のブリスベンで始まったスモール&スロー
なビジネス。
購買者が定額を前払いし、中身はお任せの箱入りの農産物を受け取る、という点
では「農家直送の野菜宅配ボックス」みたい。でも単独の農家じゃなく、複数の
農家から農産物が持ち寄られる、という点では「道の駅」のような感じ。
そして、購買者がグループごとに代表者の家で商品を受け取る、というところは
「生協(CO-OP)」みたいな感じです。
一見シンプルに見えるこのシステム、実はCSA(Community Supp
orted Agriculture)をモデルとし、農家の立場からすると大き
なメリットがあります。
というのも、 「買い手」のメリット(安さや安全性、利便性)だけに焦点をおくの
ではなく「有機的 な手法で農業を営む小規模農家の保護」を重視しているからです。
(CSAについての詳細は、ブログ(種から森へ - 6月10日)にて。)
フードコネクトと契約した場合、
* 商品のバラエティは複数の農家間でお互いに補いあえる
* 一旦契約すれば、フェアな料金設定(季節ごとに農家が希望の値段を設定)で
安定した取引が約束される
* 見た目やサイズ、収穫量のばらつきにかかわらず、できた作物は100%
引き取ってもらえる
* マーケティング、パッケージング、輸送、保管などコストや労力が最小限か
ゼロにおさえら、農家は本来の農作物の質の向上、という点に集中できる
といった具合で、農家がスーパーなどの小売店に商品を卸した場合と比較すると、
収入の差額はなんと4倍だそうです!
ところで契約農家になるためには、アセスメントを受け、環境や人への配慮
(要はいかにオーガニックか)、品質(見た目じゃなくて)に関する基準を満た
す必要があります。
そしてこれらの基準の達成度により4段階にランク付けされた登録農家は、HP
に公開され、しかも毎週の作物は、ひとつひとつどの農家から届けられているか
ということまで公開されています。
こういうことを通し、オーガニックを「特別なもの」から、「当たり前のもの」
として社会に浸透させていこうという意識も背景にあることがうかがえます。
大手スーパーが中間に立ち、生産者の負担のうえに成り立つ、「安さ」や「安全
性」をただ受身で享受するのではなく、生産者の「持続可能性」や「安全性」
を守りながら、買い手であるわたしたちも食の安全や安定供給に積極的に参加し
ていこう、という姿勢がとってもトランジション的です。
実際、地元のトランジションタウンともコラボレーションイベントを開催したり
と、いろいろな方面とつながりをもちながら、今ではメルボルン、シドニー、ア
デレード、そしてタスマニアでも、モデルとされ、同様の仕組みが広まってきて
いるそうです。
種から森へ - トランジションタウン@ブリスベン
- トランジションタウンモデルを通じて日々学んだこと、
考えたこと、伝えたいこと -
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(すい)
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4、トランジション・ジャパン活動報告
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●5月30日 エコビレッジ国際会議に参加しました。
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→トランジション・ジャパンのメンバーのまるじゅんによるブログ
ジモティーでいこう http://ttown.exblog.jp/
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●編集後記
小田原の荒れた竹林を歩きながら、案内をしていただいた方に聞いた話。
彼のおじいちゃんは、なんでも竹からつくったそう。
収穫した梅をいれるかご、搬送するコンテナ、梅を挟むトングなど。束ねる
ひもは棕櫚の皮をはいで編んだ。孫である彼が幼い時には、竹で刀と鞘ま
でつくり、きれいに漆までぬって仕上げてくれたそうだ。当時でたばかりの
プラスチックおもちゃに憧れた彼は全然嬉しくなくて放っておいたんだって。
家のなにかが壊れれば竹を削って釘をつくって直した。竹をたくさん使った
から、竹林も整備され毎年筍をおいしく食べていた。
それがたった40~50年前の話。
今はすべてプラスチックや化学製品にとってかわり、竹林は荒れ放題。
つい最近まで、石油がなくても十分生きていけた。
GDPは10倍にはねあがったけれど、失った物ははかり知れず大きすぎる。
(トランジション・ジャパン&葉山 きやまやすこ)
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編集・発行:特定非営利活動法人 トランジション・ジャパン
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by marujunx
| 2010-06-21 12:09
| TTあちこちニュース