2011年 04月 01日
原発関連でまだ知られていない、あるいは国が知ろうとしなかった、いくつかのこと。 |
「早々に原子力の見直しという話も出ているが、
日本の英知を結集すればより安全な炉が造れる」
日本原燃の川井社長の昨日のコメントです。
http://mytown.asahi.com/areanews/aomori/TKY201103310521.html
日本原燃という企業がどこで何をしている会社か、
これまでご存じなかった方もいらっしゃるかもしれません。
実は日本国内で、日常的にもっとも大量の放射性物質が存在し、
また、それを排出する施設は原発ではありません。
原発で日々発生する「死の灰」と呼ばれる核廃棄物。
それを日本中の原発から集めてきて、
そこからプルトニウムを取り出す
「再処理」「核燃料サイクル」などと呼ばれる事業を
おこなうための工場が青森県の六ヶ所村にあります。
その再処理工場を経営する企業が日本原燃です。
その工場はまだ本格始動していません。
再処理=核燃料サイクルは20世紀のある時期、
世界中で未来の夢の技術と考えられていましたが、
あまりに高度な技術を要し、また危険なプロセスであるため、
各国は次々と撤退。
イギリスの再処理工場では深刻な事故も起こり、
今でも再処理に前向きなのはフランスただ一国です。
日本では工場は建てたものの、
相次ぐ事故やトラブルで試験運転は難航をきわめ、
本格稼働が長らく遅れています。
再処理にかける日本の技術レベルについては、
そもそも再処理のための原子炉を自力で作ることができず、
フランスに作ってもらった、
といえばご想像いただけるかもしれません。
(そんなこともあり、冒頭の川井社長のコメント
「日本の英知を結集すればより安全な炉が造れる」
には個人的には同意しかねます)
再処理工場では原発とは違い、
通常の稼働でも大量の放射性物質が空気中と海中に放出されます。
なので、通常の原発の排出基準は適用されず、
驚くべきことに上限が設定されないことになりました。
原発事故後の今、放射性物質を体内に取り込んでしまうリスクについて
あちこちで語られていますが、
六ヶ所村では、事故でもないのにそれが日常になろうとしていたのです。
放射性物質は海流に乗って、
三陸海岸を経由して房総半島までやってきます。
東日本の豊富な海の幸が汚染されるのはもちろん、
サーファーの人たちに、
再処理工場を問題視する人が多いのをご存知の方も多いでしょう。
2008年、この再処理工場が、
巨大活断層の上に立っていることが大きく報道されました。
http://otera6.jugem.jp/?eid=192
綿密な調査の末、このことを発表したのは、
渡辺満久東洋大教授(変動地形学)。
http://www.soc.toyo.ac.jp/socio/faculty/watanabe.html
当時、議員会館に渡辺教授のお話と会見を聴きに行きました。
わたしの記憶によれば、
渡辺教授は次のような主旨のことをおっしゃっていました。
(記憶違いがあったらご指摘&お許しください)
わたしは原発反対派ではありません。
調査研究をする中で、
「敦賀原発が活断層の上に立っていてとても危険である」
という事実をたまたま知り、
地震国家日本では、
このことはたいへん重大な意味を持つので、
経産省や電力会社にお知らせしました。
その結果、
彼らは自分たちのお抱え学者たちの言うことしか聞かない、
というショッキングな事実を知りました。
そもそも彼らが地質学者と呼ぶ人たちは
われわれ(変動地形学)とは専門が違っており、
残念ながらもともと活断層のことを何も知らないのです。
さきほどみなさんにも解説した通り、
彼らが活断層の説明に関して
まったく初歩的な点を間違えていることでも
お分かりいただけると思います。
しかたがないので、自分たちで、
日本海側の原発をひとつひとつ調査していったところ、
驚くべきことにそれらのすべてが
問題視すべき活断層の上に立っていることが分かりました。
わたしは太平洋側の原発の一部、
あるいは全部も危ないと踏んでいます。
わたしたちのチームは数人しかいないので
とても時間がかかるけれど、
それでも精一杯急いで、
それら全部を調べようと思っています。
「三陸はるか沖地震」の際、
六ヶ所村の再処理工場も大きな被害を受けました。
道路は大きく湾曲してひび割れ、
見渡す限り容器に入った核廃棄物は倒れ、
たいへんな被害が出ましたが、
どこからともなく村全体に無数の重機が出動し、
わずか1日でなにごともなかったように直してしまったので、
その事実は地震直後に現場に急行した
広瀬隆さんはじめごく少数のジャーナリストと、
彼らに撮られた何点かの写真で知ることができるのみです。
(重機は日本原燃のものであったことが後に判明しました)
このときの地震の震度などのデータを地図上に落としてみると、
震源はまさに再処理工場の真下だったことがわかる、
と広瀬さんはおっしゃっていました。
本当は六ヶ所再処理工場直下地震とでも呼ぶべきで、
「三陸はるか沖地震」という奇妙な名前は
そのことを隠蔽するため、とも。
再処理工場の本格稼働がはじまれば、
日本中の原発から六ヶ所に向けて
陸路で日常的に核廃棄物が運ばれることになります。
フランスにあずけてある大量のプルトニウムも
海を超えて帰ってきます。
もちろんこれまでも輸送されてきたわけですが、
より本格化することでしょう。
また、原発事故の影響にプラスアルファして、
海と空が高濃度に汚染されるでしょう。
東海地震を待たず群発地震の危機を迎えるかもしれない
浜岡原発をはじめとする日本の原発の今後を考えるとき、
六ヶ所再処理工場の今後についても
考えていきたいものです。
枝野官房長官は、日本の原子力政策の見直しを明言しています。
勇気と希望をもって、
わたしたちが見たい未来の方へ舵を切っていきましょう。
※六ヶ所再処理工場についてくわしくは、
ドキュメンタリー映画「六ヶ所村ラプソディー」をご覧ください。
4/3から渋谷アップリンクファクトリーで緊急上映されます。
http://888earth.net/staffblog/2011/03/3311.html
日本の英知を結集すればより安全な炉が造れる」
日本原燃の川井社長の昨日のコメントです。
http://mytown.asahi.com/areanews/aomori/TKY201103310521.html
日本原燃という企業がどこで何をしている会社か、
これまでご存じなかった方もいらっしゃるかもしれません。
実は日本国内で、日常的にもっとも大量の放射性物質が存在し、
また、それを排出する施設は原発ではありません。
原発で日々発生する「死の灰」と呼ばれる核廃棄物。
それを日本中の原発から集めてきて、
そこからプルトニウムを取り出す
「再処理」「核燃料サイクル」などと呼ばれる事業を
おこなうための工場が青森県の六ヶ所村にあります。
その再処理工場を経営する企業が日本原燃です。
その工場はまだ本格始動していません。
再処理=核燃料サイクルは20世紀のある時期、
世界中で未来の夢の技術と考えられていましたが、
あまりに高度な技術を要し、また危険なプロセスであるため、
各国は次々と撤退。
イギリスの再処理工場では深刻な事故も起こり、
今でも再処理に前向きなのはフランスただ一国です。
日本では工場は建てたものの、
相次ぐ事故やトラブルで試験運転は難航をきわめ、
本格稼働が長らく遅れています。
再処理にかける日本の技術レベルについては、
そもそも再処理のための原子炉を自力で作ることができず、
フランスに作ってもらった、
といえばご想像いただけるかもしれません。
(そんなこともあり、冒頭の川井社長のコメント
「日本の英知を結集すればより安全な炉が造れる」
には個人的には同意しかねます)
再処理工場では原発とは違い、
通常の稼働でも大量の放射性物質が空気中と海中に放出されます。
なので、通常の原発の排出基準は適用されず、
驚くべきことに上限が設定されないことになりました。
原発事故後の今、放射性物質を体内に取り込んでしまうリスクについて
あちこちで語られていますが、
六ヶ所村では、事故でもないのにそれが日常になろうとしていたのです。
放射性物質は海流に乗って、
三陸海岸を経由して房総半島までやってきます。
東日本の豊富な海の幸が汚染されるのはもちろん、
サーファーの人たちに、
再処理工場を問題視する人が多いのをご存知の方も多いでしょう。
2008年、この再処理工場が、
巨大活断層の上に立っていることが大きく報道されました。
http://otera6.jugem.jp/?eid=192
綿密な調査の末、このことを発表したのは、
渡辺満久東洋大教授(変動地形学)。
http://www.soc.toyo.ac.jp/socio/faculty/watanabe.html
当時、議員会館に渡辺教授のお話と会見を聴きに行きました。
わたしの記憶によれば、
渡辺教授は次のような主旨のことをおっしゃっていました。
(記憶違いがあったらご指摘&お許しください)
わたしは原発反対派ではありません。
調査研究をする中で、
「敦賀原発が活断層の上に立っていてとても危険である」
という事実をたまたま知り、
地震国家日本では、
このことはたいへん重大な意味を持つので、
経産省や電力会社にお知らせしました。
その結果、
彼らは自分たちのお抱え学者たちの言うことしか聞かない、
というショッキングな事実を知りました。
そもそも彼らが地質学者と呼ぶ人たちは
われわれ(変動地形学)とは専門が違っており、
残念ながらもともと活断層のことを何も知らないのです。
さきほどみなさんにも解説した通り、
彼らが活断層の説明に関して
まったく初歩的な点を間違えていることでも
お分かりいただけると思います。
しかたがないので、自分たちで、
日本海側の原発をひとつひとつ調査していったところ、
驚くべきことにそれらのすべてが
問題視すべき活断層の上に立っていることが分かりました。
わたしは太平洋側の原発の一部、
あるいは全部も危ないと踏んでいます。
わたしたちのチームは数人しかいないので
とても時間がかかるけれど、
それでも精一杯急いで、
それら全部を調べようと思っています。
「三陸はるか沖地震」の際、
六ヶ所村の再処理工場も大きな被害を受けました。
道路は大きく湾曲してひび割れ、
見渡す限り容器に入った核廃棄物は倒れ、
たいへんな被害が出ましたが、
どこからともなく村全体に無数の重機が出動し、
わずか1日でなにごともなかったように直してしまったので、
その事実は地震直後に現場に急行した
広瀬隆さんはじめごく少数のジャーナリストと、
彼らに撮られた何点かの写真で知ることができるのみです。
(重機は日本原燃のものであったことが後に判明しました)
このときの地震の震度などのデータを地図上に落としてみると、
震源はまさに再処理工場の真下だったことがわかる、
と広瀬さんはおっしゃっていました。
本当は六ヶ所再処理工場直下地震とでも呼ぶべきで、
「三陸はるか沖地震」という奇妙な名前は
そのことを隠蔽するため、とも。
再処理工場の本格稼働がはじまれば、
日本中の原発から六ヶ所に向けて
陸路で日常的に核廃棄物が運ばれることになります。
フランスにあずけてある大量のプルトニウムも
海を超えて帰ってきます。
もちろんこれまでも輸送されてきたわけですが、
より本格化することでしょう。
また、原発事故の影響にプラスアルファして、
海と空が高濃度に汚染されるでしょう。
東海地震を待たず群発地震の危機を迎えるかもしれない
浜岡原発をはじめとする日本の原発の今後を考えるとき、
六ヶ所再処理工場の今後についても
考えていきたいものです。
枝野官房長官は、日本の原子力政策の見直しを明言しています。
勇気と希望をもって、
わたしたちが見たい未来の方へ舵を切っていきましょう。
※六ヶ所再処理工場についてくわしくは、
ドキュメンタリー映画「六ヶ所村ラプソディー」をご覧ください。
4/3から渋谷アップリンクファクトリーで緊急上映されます。
http://888earth.net/staffblog/2011/03/3311.html
by marujunx
| 2011-04-01 19:10